【2022年最後の活動報告】

今月3日から、犬猫たちの命を繋ぐ活動のため、九州の施設に行っていました。

本来なら、皆さんにお伝えしたいことが、毎日たくさんあったのですが、1人で現地に向かっていたため、夜中までの活動になる日ばかりで、ほとんど報告が出来ないまま…あっという間に、もう今年最後の日になってしまいました。


施設での活動は、力及ばす消えていく命、消えてしまいそうな命、奇跡のように助かる命、さまざまな命と向き合う日々でした。

悲しいこと、悔しいこと、嬉しいこと、激しい怒り…など、一つ一つを感じる間もなく、1日のうちに次々と重なっていき、自分の心がどうなっているのか、わからないような毎日でした。

やっと今、一つ一つの出来事と感情が繋がってきています。


今回施設から、犬9頭、猫3匹が新しい家族の元に旅立ちました。

その中で、具合の悪い3頭の高齢犬を連れて帰りました。

昨日30日、最後の1頭、15歳の老犬を里親さんのところに連れて行きました。

みんなそれぞれ、過酷な環境の中で生きてきて、大変な過去を背負っています。でもこれからは、幸せしかありません。

たくさんの愛情の中で、穏やかに過ごしていってほしいです。


今回、私の滞在中に、3頭の命を看取りました。

1頭は空輸で施設に着いてから3日で亡くなりました。寝たきりの17歳小さな高齢犬でした。

何もかも諦めたような、誰のことも信じないような目をしたまま、命を終えました。


2頭目は足の不自由なピットブルでした。今年の夏、車椅子を買ってもらい、嬉しそうに走り回ってる姿が心にしっかり残っています。今回、私が来たときには、その姿はなく、ガリガリに痩せて寝たきりになっていました。

亡くなった原因は不明です。

病院で検査をしてもらっていたそうですが、原因がわからなかったそうです。

亡くなる前日のことです。

点滴を終え、この子から離れようとした時、私の腕に自分の手をしっかりと絡め、私を引き止めました。びっくりして顔を見ると、心細そうな顔をして、行かないでと言っていたのがわかりました。

その時の顔が目が、忘れられません。

3頭目は、寝たきりの大型犬。名前はリック。

人を信用しておらず、誰に対しても威嚇をし、噛む犬で有名でした。

去勢をしていなかったため、精巣腫瘍になり、全身にがんが転移していました。

何も食べれないし、飲まないから、脱水がひどかったので、リックにも点滴をしに毎日通いました。

噛まれるかもしれないなと思いながら、「噛まないでね」と言って近づきましたが、全く噛むそぶりは見せませんでした。

誰も触れないから、体中、おしっこやうんちがついていてかわいそうだったので、お手伝いに来てくれたボランティアさんに手伝ってもらい、暖かい日にお湯で体を洗ってあげました。

目やにも取ってあげました。

気持ち良さそうにしていたリックの顔が、忘れられません。

リックは、長くて1週間の余命宣告を受けていました。

1週間頑張ってくれれば、私が帰る日に一緒に連れて帰ることができます。

リックに、真剣に話しました。

「リック、一緒に帰ろう。だから頑張って」って。

リックは3回瞬きをしました。この瞬きは、わかったよ、と言う私への返事だと分りました。

でも翌日、リックは旅立ってしまいました。

朝、いつものように扉を開けて、「リック」と呼びました。

リックは横になったまま、頭を動かし、私を見ました。

そのまま、呼吸が止まってしまいました。

どうして…と、神などいないと心から思いました。あとほんの少しの時間でいいから、リックに与えてくれたっていいのにと。


毎回この施設に来るたびに、助けられた命、助けられなかった命、幸せにつなぐことができた命、たくさんの命と向き合います。

どの子も、1度は人間に家族として迎えられた命です。

動物は、自分で自分の家族を選ぶことができません。

その命を迎えた人が、その動物たちの家族となります。

だからどうか、一度迎えた命を最後まで大切にしてあげて下さい。

ほんとにほんとに心からお願いします。


今年もあと数時間で終わります。

今年もたくさんの命と向き合う1年でした。

きっと来年も変わらず、命と向き合う年になるでしょう。

人も動物も全ての命が、少しでも大切にされることを祈りながら、今年を終えたいと思います。


今年もお世話になりました。

ありがとうございました。


2022.12.31 うさ

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【うさ公式ホームページ】 創作家 「災害で消えた小さな命展」主催。 「災害時ペット捜索・救助チームうーにゃん」、「劇団Sol.星の花」代表。 この3つの活動を通して、命の大切さや思いやる気持ちを伝えていきます。

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