【フジコ・ヘミングさん】
やっと想いを言葉にできるようになりました。
今日は、大切な人の命日、
去年の今日、ピアニストのフジコ・ヘミングさんが旅立たれました。
昨年、能登での活動中に、フジコさんの訃報が届きました。
フジコさんとは、東日本大震災の時、宮城県多賀城市でお会いしました。
その後、東日本大震災チャリティー原画展『災害で消えた小さな命展』の作家さんとして絵を描いてくださいました。
それ以来、フジコさんは、私の活動をずっと応援してくださいました。
私はフジコさんのピアノの大ファンでした。
フジコさんがピアノの前に座ると、ピアノが大きな猫に見えました。
その大きな猫を、優しく撫でるようにピアノを弾くフジコさんが、私は大好きでした。
フジコさんはお耳が不自由な為、フジコさんとの会話は、いつもFAXでした。
FAXには必ず、コンサートで世界中を回る中で出会った犬や猫の事が書いてありました。
動物たちの現状を悲しみ、動物たちの幸せを願う想いが綴ってありました。
一度だけ、フジコさんが私のスマホに電話をくださった事がありました。
九州での犬猫のレスキュー活動中でした。
あまりに酷い状態に、私の気持ちがかなり落ち込んでいた時、突然電話がなり、電話に出ると、フジコさんからでした。
私は九州に行く前に、毎日新聞社から出版されたばかりの『災害で消えた小さな命』と言う本をフジコさんに一冊送りました。(フジコさんの絵も掲載されています)
フジコさんは、その本を読み終えすぐに電話してくださったそうです。
その時の言葉は、鮮明に覚えています。
「うささん?送ってくれた本、今読み終えました。
すぐにあなたに伝えたくて電話しました。
とても素晴らしかった。この本はたくさんの人に読んでもらわなくちゃ。
本当に感動しました。
私も周りの人たちに勧めるようにします。
あなた、今、九州で活動中だったわね。頑張って。不幸な犬や猫たちを助けてあげてください。」
フジコさんからの電話に、疲れも、落ち込む気持ちも、いっぺんに何処かに吹き飛びました。
私が活動地にいるからいつものFAXが届かないため、お耳が不自由なのに、電話をくださった事、フジコさんの溢れ出る気持ちが本当に嬉しかったです。
数々のフジコさんとの想い出は、フジコさんからいただいた大切な宝物です。
この宝物は、一つでも多くの動物たちの命を救うために使います、と、目を閉じて出会えたフジコさんに約束しました。
それがフジコさんへの恩返しだと思います。
私もいつか命を終える時がくるけれど、最後の時まで、純粋で無垢な命たちが少しでも幸せに過ごしてくれるように、フジコさんが望んだ優しい未来が訪れるように、しっかり生きたいと思います。
🍀『災害で消えた小さな命』(毎日新聞出版)
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